お 仏 壇 に つ い て


  お仏壇と言いますのは、お寺の本堂を小さく縮小したもので、中の構造は本堂そのままの形をとっています。お仏壇と言いましても、宗旨・宗派によっても違い、また地方によっても若干違いがあるようです。

 浄土真宗では昔から
金仏壇といって、中に金箔を貼った仏壇を用いますが、最近では金箔の貼っていない、唐木仏壇(紫檀・黒檀)もよく見かけますが、実はこの唐木仏壇というのは、どの宗派でも使えるように造ってあるのが特徴です。

  又、同じ真宗の金仏壇といっても、
本派(西)のものと大派(東)のものは違いがあります。それはお宮殿(くうでん)の屋根の形が違います。本派の方は普通の一重の屋根がついていますが、大派の方はそれが二重構造、二段構えになっております。

  また同じ本派の金仏壇でも若干形が違うものがあり、このあたりでは、
京仏壇と大阪仏壇の二種類があります。これは京都で買ったから京仏壇、大阪で買ったから大阪仏壇という訳ではありません。構造が少し違っているのです。
  一番大きな違いを一つ覚えておいて下さい。上の方に欄間がついておりますが、この欄間の位置と形が京仏壇と大阪仏壇とでは違いがあります。お障子を閉めたら欄間が中に隠れてしまうのが大阪仏壇、お障子を閉めても欄間が見えているのが京仏壇であります。京仏壇の方は、お障子の上に欄間がついています。したがってお障子を閉めても欄間は見えております。

 次に、お仏壇の中を見てみますと、正面の中央上には阿弥陀如来様を、その右と左にも一幅づつお掛け軸が掛けてありますが、これを脇に掛けてあるので、
お脇掛(おわきがけ)と呼んでおります。向かって右には「帰命尽十方無碍光如来」、左には「南無不可思議光如来」と書いてあります。これはそれぞれ使ってある漢字の数で「十字名号」「九字名号」と呼んでます。ちなみに南無阿弥陀仏というのは六字ありますので「六字名号」と呼び、十字名号も九字名号も南無阿弥陀仏と同じ意味の言葉です。
  このお脇掛には、九字と十字のお名号がありますが、他にも絵が書いてあるのもあります。その場合は、右には親鸞聖人の御影、左には蓮如上人(第八代)の御影であります。
  中央の
阿弥陀如来様のお姿をよく見ますと、頭の後ろには後光がさして、右手を上げ、左手を下げて立っておられます。後光の数は48本あり、仏説無量寿経の四十八願(この中の第十八願が一番大切であり、四十八願中の根本の願という意味で本願と呼ぶ)を表しております。如来様の右手を「招喚のお姿」といって、我々に早くお念仏を称えさせて頂く身となって下さいよと、常に招き喚んで下さっています。また左手を「摂取不捨のお姿」と申し、捨てず摂め取るということですから、必ず漏らさず救うぞという意味です。
  ですから、仏説無量寿経の四十八願の中の御本願を頂いてお念仏を申せば、必ず漏らさず救うぞということを、如来様はいつも招き喚んで下さっています。それを後光と右手と左手でもって私達に示して下さっているのであります。


 【金仏壇と唐木仏壇】
【お仏壇(西と東)】
 【京仏壇と大阪仏壇】 
 【お脇掛(オワキガケ)】
 【阿弥陀如来像】
 【お仏壇のお荘厳(お飾りの仕方)】