仏説観無量寿経(キョウ良耶舎訳)

☆王舎城の悲劇を説いた物語

三経差別門−定散二善−要門
三経一致門−他力念仏−機の真実

提婆達多にそそのかされた阿闍世王が父頻婆娑羅王を幽閉し、母韋提希夫人をも宮殿の奥に閉じ込めた。韋提希夫人は釈尊を心に念じると現前され救いを説かれる。
まず精神を統一して観想する十三の観法が説かれるが、その中心は第九の真身観(阿弥陀仏の相好を観ずる)である。=定善
さらに九品を説かれ、上品には大乗の善、中品には小乗の善や世間の善を明かされる。そして下品にはこれらの善を修することができない悪人のために念仏の教えが説かれるのである。=散善
しかしこのような観法や善を説き終わった後で最後に阿難に対して、無量寿仏の名号を心にとどめよと説かれている。

●四天王:
須弥山の中腹に住し、帝釈天に仕えて仏法を守護する。持国天(東)・増長天(南)・広目天(西)・毘沙門天(北)

●無生法忍:
真実をありのままに悟ること

●定善十三観(観経疏):
日観・水観・地観・宝樹観・宝池観・宝楼観・華座観・像観・真身観・観音観・勢至観・普観・雑想観

●由旬:
距離の単位で、一由旬は牛車の一日の旅程距離

●六波羅蜜:
菩薩が修めなければならない六つの行
布施−施しをする
持戒−戒律を守る
忍辱−耐え忍ぶ
精進−すすんで努力する
禅定−精神を統一し安定させる
智慧−真実の智慧を得る

●五逆罪:
殺父 −父を殺す
殺母 −母を殺す
殺阿羅漢−聖者を殺す
出仏身血−仏の身体を傷つけ出血させる
破和合僧−僧伽の和合をみだす

●十悪:
殺生・偸盗(チュウトウ)・邪婬・妄語(嘘・偽り)・両舌(人を仲違いさせる言葉)・悪口・綺語(誠のない飾った言葉)・貪欲・瞋恚・愚痴

●一蓮托生:
阿弥陀如来の極楽浄土に生まれ変わる(往生する)時、蓮の華の中に生まれる。しかも一緒に往生すれば、同じ大蓮華の中に生まれるという。そこで生死を共にすることを一蓮托生という。