第一章 浄 土 三 部 経
【仏説無量寿経二巻(康僧鎧訳・魏訳)】
上巻=弥陀成仏の因果を説く・四十八願・六字名号
の成就
下巻=衆生往生の因果を説く・絶対他力の大道
宗祖は出世本懐の経と呼ばれた。
【仏説観無量寿経一巻(キョウ良耶舎訳)】
定善=息慮凝心=浄土の国土と仏と菩薩を観想
散善=廃悪修善=世(世間)・戒(小乗)・行(大乗)の
三福
三福を九通りの人間の種類に配当
下三品には極悪人=唯念仏一法で救われる。
【仏説阿弥陀経一巻(鳩摩羅什訳)】
無問自説の経=問いを待たないで自意を述べる
【三経差別門】
大経(弘願門)・観経(要門)・小経(真門)
【三経一致門】
大経(法の真実)・観経(機の真実)・小経(合説証誠-
間違いないと証明する)
第二章 七 祖 聖 教
【七祖選定の理由】
@自ら西方往生を願ずる A書を撰して他力法を
弘伝する
B法義に於いて発揮する所がある C本願の趣旨
に相応する
【龍樹菩薩】
十住毘婆沙論十七巻(鳩摩羅什訳) 易行品
初地の位(不退の位)に至る道として難易二道判
を説く陸路を歩行する難行道・水路を船で行く易
行道
【天親菩薩】
無量寿経優婆提舎願生偈(浄土論・往生論)
浄土願生思想=一心願生
五念門と五果門
礼拝・讃嘆・作願・観察・廻向
近門・大会衆門・宅門・屋門・薗林遊戯地門
【曇鸞大師】
往生論註二巻(天親の浄土論の註釈)
曇鸞教義の特色は「他力の開顕」
三願的証
第十八願(往生の因)−−−|
第十一願(往生の果)−−−|−全て他力を証す
第二十二願(還相廻向)−−|
【道綽禅師】
安楽集二巻
末法思想(正法-500年・像法-1000年・末法-10000
年)
聖浄二門判-龍樹の難易二道判を継承し進歩させる
【善導大師】
観経疏四巻(四帖疏)
極悪最下の凡夫が極善最上の仏土に往生するを
説く
二種深信(二種一具)
自身は現にこれ罪悪生死の凡夫、曠劫よりこの
かた常に没し常に流転して出離の縁あることな
しと信ず。
彼の阿弥陀仏の四十八願は、衆生を摂受して疑
いなく慮りなく彼の願力に乗じて定んで往生を
得と信ず。
道綽に於ける人間の自己否定は末法意識の上にな
されていたが、善導はこれらを受けながら、それ
を時代の問題から自己の問題とした。
五正行(称名=正定業・前三後一=助業)
読誦・観察・礼拝・称名・讃嘆供養
【源信和尚】
往生要集三巻(厭離穢土欣求浄土の思想)
専修念仏をすすめる
浄土に報化二土の判別を施した
【源空(法然)上人】
選択本願念仏集二巻(専修念仏)
三選の文
聖道門をさしおいて選んで浄土門に入り
諸々の雑行を捨てて選んで正行に帰し
助業を傍らにして選んで正定業を専らにする
難易勝劣
念仏は修し易く、余行は修し難い。念仏を勝と
し、余行を劣とする。
第三章 宗教への入門
【四門出遊】
東門→老人
南門→病人
西門→死人(葬式) 北門→修行僧
【四諦八聖道】
苦諦-人生は苦なり 集諦-その苦の因をいう
滅諦-悟りの境地 道諦-悟境に到達すべき道
正見 -正しい見解
正思惟-正しい思惟
正語 -正しい言葉使い
正業 -正しい行為
正命 -正しい生活
正精進-正しい努力
正念 -正しい憶念
正定 -正しい精神統一
【三法印】
諸行無常−一切のものは変化する
諸法無我−一切のものは我執すべきものでない(空)
涅槃寂静−涅槃の悟りこそ、とらわれない世界
【三願転入】
要門 −第19願−諸善万行−雙樹林下往生
真門 −第20願−善本徳本−難思往生
弘願門−第18願−他力念仏−難思議往生
第四章 教 判 論
【二雙四重判(一代仏教の分類)】
漸−次第を追うて進む義 頓−次第を超越する義
|−竪超−|
|−超−|
|
|
|−横超−|
二雙−|
|−四重
|
|−竪出−|
|−出−|
|
|−横出−|
超−頓教(はやく仏になる教え)
出−漸教(長い修行で仏になる教え)
横−他力−浄土門
竪−自力−聖道門
横超(弘願真宗) 横出(要門・真門)
竪超(華厳・天台・真言・禅) 竪出(法相・三論など)
【真仮偽判(宗教一般についての教判)】
偽−仏教以外の諸教
仮−仏教中に於いて真宗以外の諸宗・要門・真門
真−浄土真宗
権仮−暫用還廃